昨年の今頃、私はNHKの記者さんから取材を受けていました。
その結果、私が発達障害でありながらチェロの学びを深め、3月にバロックアンサンブルの演奏会に出演するというストーリーが、NHK NEWS おはよう日本の4月放映分のコンテンツとして日本中に広く紹介されました。
ことのきっかけは、父がNHKに取材依頼のメールを送ったことです。 私は2018年からドイツに留学しましたが、それに先立ち、母がクラウドファンディングを利用して留学資金の一部を集めてくれました。 クラウドファンディングのプロジェクト名は
「発達障害者がオンリーワンの道に挑戦!バロックチェロの本場ドイツで学ぶ」
その時のことは、別の機会に書こうと思います。
そのサイトで、私の生い立ち、チェロを学ぶきっかけや、音大に進むようになった道筋などを母が細かく紹介していました。
NHKの記者さんは、取材依頼のメールとともにそのサイトも読んで、私と私の家族に興味をもってくださったそうです。
本当のことを言うと私は、自分が発達障害のチェロ奏者、とされることに抵抗がありました。
障害という言葉のネガティヴさが嫌いだったし、自分は障害者と言われるほどではない、という気持ちもありました。
けれども母は、発達障害という言葉を前面に出してクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げました。
そのサイトで母は最初に、こう書いています。
「発達障害である晋のストーリーを知っていただくことで、発達障害のお子さまをおもちの全国のママ・パパたちに「こんな、想像を超える未来が待っているかもしれませんよ」と伝えたい、という思いで挑戦しています。」
NHKの記者さんも、そこに共感してくださったようでした。
私のストーリーが、よその親御さんの希望につながるなんてことがあるのだろうか?
それが、本当にあったのです!
2023年の4月15日に番組が放映され、その前日に公開されたWEB記事もかなり読まれたようですが、記事を目にした一人から、NHK→担当記者さん→私の両親というルートでメールが送られてきました。
その方は自分にも、発達障害でチェロを本格的に学んでいる高校生の息子がいる、という女性で、メールには私に関するWEB記事の内容に「共感と感動で涙がこみあげてきました」とありました。
つないで下さった担当記者さんのメールにも、「こんなことがあるんだと私自身、このお手紙をいただいたときに驚きとともに胸が熱くなりました」と書かれていました。
母は、奇跡のようなこと、と言っていましたが、もっと奇跡的なことがこの後、まだありました。
その辺りも含めて、この1年のことを何度かにわけて書こうと思います。
ところで私は文章を書くのがとても苦手なので、このブログも実は母に代筆してもらっています。
ホームページを作ったものの、1年以上まったく更新していなかった理由は、2023年、ほぼ1年間、母が闘病していたからという理由なのですが、それも別の機会に触れます。
今、母は元気で、演奏の機会が少しずつ増えてきた私を、ブログや演奏会のプログラムノートなどのライティングという面でサポートしてくれています。
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